【佐倉市】旧佐倉街道の宿場町、馬渡に残る歴史的史跡「下総まわたし宿百観音」は庶民の願いがこもった神聖な場所でした。
国道51号と並走するかたちで、現在も当時の面影をいたるところに残す旧佐倉街道は、江戸時代に水戸街道の新宿(にいじゅく)から佐倉城までをつなぐ脇街道で、やがて成田山新勝寺までをつなぐ成田街道へと発展し賑わったそうです。旧佐倉街道の宿場町のひとつだった「馬渡(まわたし)」は、現在、のどかな田園風景と閑静な住宅街のある静かな町です。交通量が多く騒然としている国道51号からちょっと入るとこんなに静かな場所があるのだと驚くことでしょう。
江戸時代に流行したお遍路さんでしたが、誰しも行けるという旅ではありませんでした。そこで、誰でもお参りできるようにと「坂東三十三観音」「秩父三十四観音」「西国三十三観音」の百観音と同じ観音像をこの地にお祀りしたのが始まりとのことです。
参道に沿って観音像がお祀りされています。まるで遠くに来たような錯覚をするほど険しい山道は、佐倉市内とは思えません。しっかりとした服装と靴で参拝することをおすすめします。
木々に囲まれた境内は、空気が清々しくちょっとしたハイキングコースのようです。一時放置された時期があり荒れた状態になっていたそうですが、地域の方々や行政の力で修復作業が現在も行われています。
観音霊場としてだけではなく、境内には修行の山としても有名な「出羽三山神社」も祀られています。観音像以外にもお社や石碑がお祀りされています。
現在では佐倉市の市民文化資産にも登録されており、今後も修復作業や整備を継続して行っていくとのことです。
各霊場の詳細を見ることのできる看板も設置されています。この参拝をきっかけに、実際の観音霊場巡礼の旅に出かけてみるのも良いかもしれませんね。山頂には大日如来像がお祀りされています。今回、あえて写真は撮影してきませんでしたので、ぜひご自身の目で確かめていただけたらと思います。木々の合間から差し込む木もれ日の気持ち良い境内で、歴史と当時の人々の祈りを感じてみてはいかがでしょうか。
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